December 2010
21 posts
1 tag
もう愛情とか人間とか仰言いますな。そんな言葉は不潔です。あなたのお口から出るとけがらわしい。あなたは人間の感情からすっかり離れていらっしゃるときだけ、氷のように清...
– 三島由紀夫 「鹿鳴館」
1 tag
清の事を話すのを忘れていた。――おれが東京へ着いて下宿へも行かず、革鞄を提げたまま、清や帰ったよと飛び込んだら、あら坊っちゃん、よくまあ、早く帰って来て下さった...
– 夏目漱石 「坊っちゃん」
1 tag
烟草屋の暖簾が赤かつた。売出しの旗も赤かつた。電柱が赤かつた。赤ペンキの看板がそれから、それへと続いた。仕舞には世の中が真赤になつた。さうして、代助の頭を中心とし...
– 夏目漱石 「それから」
1 tag
「御前は平生から能く分らない男だつた。夫でも、いつか分る時機が来るだらうと思つて今日迄交際つてゐた。然し今度と云ふ今度は、全く分らない人間だと、おれも諦らめて仕舞...
– 夏目漱石 「それから」
1 tag
おいキズキ、と僕は思った。お前とちがって俺は生きると決めたし、それも俺なりにきちんと生きると決めたんだ。お前だってきっと辛かっただろうけど、俺だって辛いんだ。本当...
– 村上春樹 「ノルウェイの森」
1 tag
「とても事情が込み入っているんだ。いろんな問題が絡みあっていて、それがずっと長いあいだつづいているものだから、本当はどうなのかというのがだんだんわからなくなってき...
– 村上春樹「ノルウェイの森」